実機解説】
アメリカでは加速や減速時の飛行特性に変化が少なく失速し難い翼形状の研究と開発が計画されていました。その中でも円形の翼形状が有効とされその実証実験としてヴォード社が試作機の製作を開始しました。しかしヴォード社は第二次大戦中においてF-4Uコルセアの生産に忙殺されたため試作計画が進まず、本格的に進んだのは終戦直後でした。そのうえ遅れていた新型プロペラが完成したのが1947年となってしまいました。このように完成が遅れたXF-5Uでしたが軍用機のジェット化が進む時代においてすでにレシプロの戦闘機は活躍の場が無く初飛行する事無く実験機としてその短い生涯を終えたのです。計画が終了した同機をスクラップする際、剛性が余りにも強い為に通常の工程では分解出来なかったと言う逸話も残っています。